「秋以降の就活」は隠れた優良企業探しの好機 4年生の就活生へ!あきらめるのは早すぎる

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もう一つの例をお伝えしましょう。近年、バイオやアグリカルチャー関連の学部・学科が増加する一方で、この専攻学生に対する産業界の受け皿がそれに伴って急拡大しているわけではなく、需給バランスがやや崩れ気味です。専攻と就職先のギャップに悩む学生からの相談を受けることがあるのですが、実は、IT業界では、生物系や農学系の学生が好まれています。

なぜなら、彼らは研究の過程で、自分たちで分析ソフトをつくることもあり、プログラミングが身近であり、論理的な思考もできるからです。

これらはほんの一部の例にすぎませんが、学んできたこと、やりたいこと、自分らしさを活かせることの3つの整合性が取れる就活先は、今、あなたが考えているところだけではありません。優良中小企業や、知名度は低くても独自性をもっているB to Bの企業があるということを知っておいてください。

最大の売りは「継続力」

「学んできたこと」とは言いましたが、学部生が専門分野を学んだ期間はわずか2年ほど、修士を入れても4年です。社会人として働いていくこれからの30年以上を考えると、大学の専門課程で学ぶ期間は極めて短い。実際企業が見ているのは、入社時点での専門知識よりもむしろ人物面です。

特に就職活動が後半戦になるほど、卒業大学や学部、所属ゼミなどの“知識・専門性”よりも、“人物面”が重視されると実感しています。では企業は学生のどこを見て、何を求めているのでしょう。

企業は、特別な個性や特殊な経験よりも、実直さと継続力を重視します。技術革新のスピードが速いため、現時点における知識はすぐに陳腐化してしまいます。知識の多寡よりも、新たな知識をどのように活用するのかを常に考え続けることが求められます。“続ける”が重要なキーワードなのです。

その意味では、就活をやり続けていること自体にも、大きな価値があるのだと自信をもってください。内定がなかなか出ずに、投げ出したくなるときもあるでしょう。それでもあきらめずにやり続ける姿勢は企業から評価されるのです。

例年、あえてこの時期から採用活動を始める会社には、その会社なりの採用戦略があります。企業によっては、就活に苦労した学生の方が仕事や働くことに対する思考がしっかりしていると見ています。そうした学生ならば、仕事への取り組み姿勢も優れ、長く働き続けてくれるだろう、と考えているのです。

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