大規模プロジェクト遂行の“参謀役”、
PMOとは?
「東京ガスライフバル」の実現にも奔走

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東京ガスは2010年10月、地域密着型の新しい体制「東京ガスライフバル」の営業・サービスを一元的に管理するシステムの運用を開始した。だが、スタートまでには困難も多くあった。スタッフ総勢150人の巨大プロジェクトをまとめるのはただでさえ難しいのに、その大きさに反比例するような期間の短さ。厳しい条件をクリアするために、同社が初めて採用したのが専任のPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)だった。

社内でプロジェクトマネジャーを
体系的に育てることは難しい

「とにかく開発の時間がないというのがプロジェクトに参加したときの最初の印象でした」と、東京ガスの執行役員・鴫谷あゆみ氏は振り返る。

「東京ガスライフバル」は、広域地域を除く東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県のエリアにおいて、地域密着型の新しい体制を生み出すものだ。ガス機器の営業・修理・設置、引っ越し時のガス開閉業務と、ガス設備定期保安点検や検針業務を一つの組織に集約することで、顧客のニーズにワンストップで応えるものだ。ざっくり言えば、異なる法人が経営する100以上のガス機器販売拠点およびサービス拠点の再編・集約である。

東京ガス
執行役員
業務改革検討プロジェクト部長
鴫谷あゆみ

「『東京ガスライフバル』が発足するのは2009年10月と決まっていましたが、基本構想がまとまったのが07年、実質的にプロジェクトがスタートしたのが08年でした」(鴫谷氏)

再編・集約化が大規模なものだけに、それを支えるシステム開発も当然大きなものになる。同社ではIT部門と業務部門、それぞれにプロジェクトマネジャー(PM)を置く体制をとった。鴫谷氏が業務系のPMとして参加した時点で、開発期間は2年を切っていた。

「すべてのシステム開発を09年までに行うのは実質的に難しく、システムを段階的に稼働させることにしました。さらに、万全を期すために、プロジェクトの遂行にあたって、外部のPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)を採用することにしました」(鴫谷氏)

東京ガスではこれまでにも、大規模なシステム開発を成功させてきた実績がある。そこであえて外部のPMOを採用した理由はどこにあったのだろうか。

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