途方もない廃炉作業、その第一歩が始まった

「事故2年後」の福島第一原発

廃炉に向けた道のりは、途方もなく長く、険しい。

東京電力は3月1日に報道機関向けに福島第一原子力発電所の現状を公開。東洋経済記者も合同取材に参加した。原発事故発生から2年が経とうとしている現在、取材から見えてきた困難な課題と懸命の作業についてリポートする。

最高1700マイクロシーベルトを記録

9度目に当たる報道機関向け現場公開のメインテーマは、使用済み燃料の取り出しに使用する構造物や、汚染水対策のための多核種除去設備「ALPS」の建設状況の公開だ。報道機関には使用済み燃料を保管する「共用プール」の立ち入りが初めて許可されるとともに、建設中の「乾式キャスク仮保管設備」もバスの中から確認できた(撮影は禁止)。

全面マスクを付けてバスに乗車

第一原発に入った報道陣は、放射線防護のために鉛の板が窓にはめ込まれた免震重要棟で全面マスクなどの装備品を着用。3台のバスに分乗しての取材は、津波被害の大きい1~4号機のタービン建屋を通過することから始まった。

 

2号機タービン建屋近くでの復旧作業

バスは海抜約35メートルにある免震重要棟を出発した後、時計回りに発電所内を運行。2号機タービン建屋に近接する、第2復水タンクの周囲では「HITACHI」のマークが貼られた防護服に身を包んだ作業員が発電機と思われる機械の修理に従事していた(右写真)。

3号機のタービン建屋海側を通過すると、東電社員が持つ線量計(2号車内)はバス車内でありながら、早くもこの日の取材で最高値となる1700マイクロシーベルト/時に到達した。国内の平常時の空間放射線量の約3万倍にのぼる高さだ。

野ざらしのクレーン車

海沿いのタービン建屋付近では、放射線が高いことが理由なのだろうか、津波で大破したクレーン車が野ざらしになっていた(写真左)。横倒しになったままの車両も目に入った。

左の窓から外に目をやると、小石を袋詰めにした仮設の防潮堤が眼前に飛び込んできた。新たな津波から施設を守るための生命線だが、応急復旧のままの状態だ。

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