健康経営で企業価値を高めるJAL アドバンテッジ リスク マネジメント
最高のサービスを提供するための社員の健康推進
2011年、JALグループは、お客様に最高のサービスを提供するためには社員自身が幸福でなければならないと考え、「全社員の物心両面の幸福の追求」という企業理念を掲げた。さらに、この理念を実現するには社員の心身の健康が不可欠だとして、会社、社員、健康保険組合が一体となって健康づくりに取り組む健康推進計画「JAL Wellness 2016」を策定した。
もともと同社は、安全やサービスを担う社員一人ひとりの健康管理には極めて熱心だったが、破たん後の経営を再建するに際し、あらためて健康管理を重視する姿勢を鮮明にし、そのための体制も整備してきたのである。「まずは、JALグループ社員の健診データや医療費などの分析を行って、社員の健康状態や課題を明らかにすることから始めました」と話すのは、日本航空人財本部健康管理部統括マネジャーの今村厳一氏だ。性別、年齢、疾患別の傾向を把握し、中長期的な目標、具体的な施策を掲げるためである。その結果、「JAL Wellness 2016」では「生活習慣病対策・がん対策・メンタルヘルス対策」を3本柱に位置づけ、疾病の予防、重症化防止に向けた施策を展開してきた。「疾病に関する啓発セミナーや禁煙キャンペーンの実施、脱メタボプログラムの推進など、社員の意識改革をはじめとする情報提供、活動などを行って、PDCAを回し効果を測定しています」(今村氏)。
まずはラインケア、セルフケアが重要
JALグループではメンタルヘルス対策として、管理職やチームリーダー向けのラインケアセミナーに加え、社員が自分のストレス度を自分で把握し、対処する能力を身につけられるようセルフケアセミナーを実施してきた。さらに社員の心身の健康を支える産業保健スタッフの体制も充実させている。