躍進と凋落、就職人気にも栄枯盛衰
最後に、過去10年のランキングを振り返ってみよう。10年間を通して安定して上位にいるのはJTBくらいで、顔ぶれは大きく変わっている。そのJTBもグループ採用に切り替えた際(07年卒調査)に前年の1位から15位への急落を味わっている。それでも女子の熱い支持を得てベスト3に返り咲いている。
10年前の首位はソニー。トヨタ自動車も4位、ホンダも13位に入っていた。世界的なブランドに育った各社は学生からも株式市場からも人気の的だった。それが、近年はメーカー各社の人気低迷が顕著だ。
その最大の要因は、文系学生がメーカーを目指さなくなった点にある。一方、理系学生の人気上位企業を見ると、1位東芝、4位三菱重工業、5位旭化成、6位日立製作所、10位ソニーと、メーカーは今も一定の支持を得ている。
それでも、トヨタの場合、理系でも14位というのは深刻だ。採用活動に力を入れている企業と、抑えている企業で明暗が出たとも言える。足もと円安転換で、業績や株価も盛り返しているだけに、後半の調査ではメーカー人気が回復する可能性もある。
(14年卒の就職ランキングに関する詳細なデータは、3月発売の『週刊東洋経済』に掲載する予定です)(撮影:風間仁一郎)
■2014入社希望者対象 就職活動前半 就職ブランドランキング調査
調査主体:文化放送キャリアパートナーズ 就職情報研究所
調査対象:2014年春入社希望の「ブンナビ!」会員(主に大学3年生、大学院1年生)
調査方法:文化放送キャリアパートナーズ運営の就職サイト「ブンナビ!」上でのWebアンケート、文化放送キャリアパートナーズ主催の就職イベント会場での紙アンケート、文化放送キャリアパートナーズ就職雑誌同送ハガキアンケート
*投票者1名が最大5票を有し、志望企業を1位から5位まで選択する形式
調査期間:2012年12月1日~2013年1月14日
回答数:14084(うち男子6556、女子7528/文系10696、理系3388)
総得票数:54388票
「就職」を重視する学生は「企業イメージ(企業価値)」よりも「仕事イメージ(仕事価値)」に重点を置くとの仮説の下で、ランキングを算出。就職者誘引度は、学生が企業イメージと仕事イメージのどちらを企業選択時に重視したかという回答によって算出。企業イメージのみで投票した場合は就職者誘引度0、仕事イメージのみで投票した場合は100とし、得票平均値を就職誘引度としている。
総得票数×就職者誘引度=就職ブランド力とし、就職ブランド力を元にランキングを計算。
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