英国EU離脱で日本は英国以上に厳しくなる 日経平均1286円安、16年2カ月ぶりの下げ幅

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英国民がEU離脱を選択した今、直近の問題は金融市場の混乱がおさまるかである。

英国のEU離脱に対する金融市場の混乱に対して、主要国がドル資金緊急供給の検討をしていることが報じられている。ドル資金緊急供給が為替の介入によって行われるのか、金融機関への貸付で行われるのかは定かではないが、どのような対応がなされるかが注目されるところだ。

日本がもっとも離脱の被害を受ける可能性

問題は、ドルの緊急供給という国際協調体制の中で、日本がどのような形で参加するかだ。

為替介入でドル資金を市場に供給するとしたら、「ポンド買い・ドル売り」或いは「ユーロ買い・ドル売り」を実施することになる。しかし、英国のEU離脱を受けて1ドル100円を割る円高に見舞われている日本が、世界各国と協調して「ドル売り介入」を実施するのは常識的に難しい。

日本がドル売り介入をすることは難しいとしたら、日本が実施できるのは米ドル資金供給オペということになる。しかし、この方法は、足元で進む円高の即効薬にはならないし、世界の主要国が「ドル売り」という協調介入に動くとしたら、それ自体が円高圧力になりかねない。

これまで日米では為替市場で進む円高が「秩序的」であるか否かで対立してきた。こうした中、日本は英国のEU離脱によって世界の「秩序」が揺らぎ円高になっているにもかかわらず、介入で対応できない状況に追い込まれる可能性が出てきている。

英国国民がEU離脱を選択したことによって、最も苦しい立場に立たされたのは、英国ではなく日本なのかもしれない。

近藤 駿介 金融・経済評論家/コラムニスト

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こんどう しゅんすけ / Shunsuke Kondo

1957年東京生まれ、早稲田大学理工学部土木工学科卒業後、総合建設会社勤務を経て、31歳で野村投信(現野村アセットマネジメント)に入社。株式、債券、先物・オプション取引等を担当した後、野村総合研究所に出向しストラテジストとして活躍。再び、野村アセットに戻ってからは、担当ファンドが東洋経済の年間運用成績第2位に選出されるなどファンドマネージャーとして活躍。その他、運用責任者として、日本初の上場投資信託(ETF)である「日経300上場投信」の設定・上場を成功させ、1996年に野村アセット初のプロフェッショナル・ファンドマネージャーとなる。現在は金融や資産運用に関する客観的な知識を広めるべく、合同会社アナザーステージを立ち上げ、会長兼CEOとして、一般向けの金融セミナーや投資セミナーなど専門家向けセミナー等も開催中。自身が手掛けるメルマガ『マーケット・オピニオン』は、個人投資家から圧倒的な支持を得る。

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