まるでコクピット、"ガンダム建機"の真髄

日立建機のアスタコ、”生みの親”が語る

10月21日(日)、日立建機フェスティバルが行われていた茨城県の常陸那珂臨港工場。子どもたちが見つめる先には、2本の腕を自在に振り回すオレンジ色の重機があった。その名は「アスタコ(ASTACO)」、スペイン語で「ザリガニ」の意味を持つ。未来からやってきたようなザリガニに中から生命を吹き込んでいたのが、開発者で商品開発・建設システム事業部主任の小俣貴之氏だ。

「仕事をしようとなるとコツがいりますが、動かすこと自体は誰でもできます。極端に言うと、小学生でも動かせる」

小俣氏はサラッと言ってのける。確かに、アスタコは右レバーで右腕、左レバーで左腕を操作する。非常に直感的だ。しかし、小俣氏はアスタコで毛筆を握って文字を書いたり、バットでボールを打ったりできる。この腕前、ただ者ではない。

実は、小俣氏はわずか3人しかいないアスタコの開発陣の1人。アスタコを隅から隅まで知り抜いている。通常、油圧ショベルの標準機には10人以上の開発担当が置かれることを考えると、きわめて少数精鋭だ。

油圧ショベルの「常識」を変えた

一般に「ショベルカー」や「バックホー」と呼ばれて親しまれている油圧ショベルは、土を掘るだけでなく、腕の先にアタッチメントを取り付けることで、コンクリートを「割る」「切る」「つかむ」「つまむ」という作業ができる。ただ、これまでの機械は腕が1本しかないため、切る機械はひたすら切り、運ぶ機械は運ぶしかできなかった。

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