官民で仕掛ける「中国ブランド向上計画」

中国のイメージを改善せよ!

日本の製品は、高い品質を誇りながら、中国マーケットにうまく食い込めていない。その最大の理由は、ブランド戦略の甘さにある。この連載では、北京電通に 7年駐在し、グローバル企業のブランド戦略のコンサルティングを手掛ける著者が、中国人の心を掴むためのブランド創りを解説。教科書的なブランド論ではなく、ビジネスの現場で起きている事実をベースに、実践的なブランド戦略を発信する。
中国最大のTV局であるCCTV(中央電視台)。中国国内のCM需要が盛り上がり、2012年の広告販売額は過去最高を記録した(写真:Imaginechina/アフロ)

 コントから中国政府のメッセージを読み取る

通称「十八大」(シーパーダー)、第18回中国共産党全国代表大会も終わったつい最近のこと、私はCCTV(中央電視台)の総合チャンネルで伝統的なお笑いの舞台(日本で言うコントのようなもの)を見ていました。コントの設定は、外国企業からの投資を受け付ける中国のとある地方政府の役人の会話です。

以下、海外からの引き合いの電話に応じる役人のセリフです。

「はい次。何? アメリカからの投資案件? OK! で、金額はいくら? 1000万元? OK、承認する!」「もしもし? 日本からの投資? 金額は? 918万元? 何? 9-1-8だって? 日本からの投資は受け付けるけど、金額が全然ダメ!!」(会場大爆笑)。 

「918」という数字は、中国では「九一八事変」(柳条湖事件)が起きた1931年9月18日 (=中華民族が永遠に忘れない国辱を受けた日)を意味します。ですから、日本からの投資自体は歓迎するが、金額に関する配慮が足りないのでこの案件は受け入れられない、と言っているのです。

深読みかもしれませんが、このコントを観て私が受け取ったメッセージは「日本との関係改善に舵を切ってよし。ただし、日本が中国の論点を正確に理解することが不可欠だ」というものです。中央電視台から発信される情報は、たとえコメディ番組であっても、党の方針に沿ったものであるはずだからです。

近年、中国企業は一斉にOEMビジネスモデルからブランド主導のビジネスモデルへ脱皮しようとしていますが、それを政府も強力にバックアップしています。中国語でいう「自主品牌」、すなわち、中国オリジナルの企業ブランドや商品ブランドを構築して、グローバル展開することを国策としているのです。

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