消費増税は永久に先送りできるものではない

将来の大きな増税は日本のためになるのか

伊勢志摩サミットが終わり、安倍首相は消費税引き上げを延期する方針を示した(写真:picture alliance/アフロ)

伊勢志摩サミットが終わり、G7伊勢志摩首脳宣言が公表された。首脳宣言の中には、「リーマンショック」はもちろん、「世界金融危機」という文言は一切ない(ちなみに、通常英語では「リーマンショック」とは表現しない)。強いていえば「新たな危機に陥ることを回避」との文言はあるが、その前段には、イギリスのEU離脱、テロ、難民も含んでおり、世界経済の下方リスクだけを指して「新たな危機」といったわけではない。首脳宣言のどこをどう読めば、世界経済の現状がリーマンショック前と似た状況にあるとの認識を共有したと読めるだろうか。

消費税率引き上げを延期する方針

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財政出動についても、伊勢志摩サミットでの東洋経済オンラインの当連載の拙稿「伊勢志摩サミットで『財政出動』合意は難しい 主要国にはそれぞれ応じられない事情がある」でも述べた通り、イギリスやドイツは慎重姿勢を崩さず、各国でそれぞれに判断することとなった。

とにもかくにも、安倍首相は5月28日夜、2017年4月に予定されている消費税率10%への引き上げを延期する方針を政権幹部に伝えた。

予定通り消費税率を引き上げると、家計消費が減少して、折からの需要不足を助長し、デフレからの脱却を遅らせるとの見方がある。ただ、消費税増税が家計消費に与える効果は、単純なように見えるが、そうではない。所得税増税の効果と同一視することはできない。この点は、東洋経済オンラインの当連載の拙稿「家計所得低迷の原因は、実質所得低迷にあり 消費増税のせいにしていては何も解決しない」でも述べたところである。

2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられ、それとともに家計が直面する(税込みの)物価は上昇した。物価上昇を上回る増加率で所得が増えなければ、実質所得は減ることになる。実質所得が伸び悩むと、家計消費を低迷させる。

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