クックパッドは企業統治の選択を誤っていた

「強行突破」の行動に出た大株主の創業者

佐野氏はなぜ、自分の手足を縛るようなコーポレートガバナンスの形態を採用していたのか(撮影:引地信彦)

創業者の佐野陽光(さの・あきみつ)氏と元代表執行役の穐田誉輝(あきた・よしてる)氏が、経営方針をめぐり対立したクックパッド。紆余曲折を経て、大株主である佐野氏が自身に近いメンバーで取締役を固め、経営の実権を握った。

3月24日の株主総会後には、佐野氏が招聘したマッキンゼー出身の岩田林平氏が新しい代表執行役社長に就任。5月10日には買物情報事業、ヘルスケア事業をクックパッド本体から分社して切り離すことを決議した。佐野氏の目指す「レシピ事業集中」路線の実現に向けて、着々と歩みを進めている。

中立性が高い企業統治の仕組みを採用していた

しかし、投資家の目は冷ややかだ。レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長は、「クックパッドには投資をしていたが、1月に佐野氏が株主提案を行った時点で、すべての株を売却した。われわれは、穐田氏の経営手腕を高く評価していたし、会社のコーポレートガバナンスの建て付けと、佐野氏の行動に不一致を感じたため、先がどうなるかは分からないと考えたからだ」と話す。

クックパッドは一般的な取締役会設置会社ではなく、社外取締役が多数を占める指名委員会等設置会社という統治形態(コーポレートガバナンス)をとっていた。しかし、こうした中立性が高く、大株主の行動を縛るような仕組みを採用していたこと自体が、フィットしていなかったのだろう。

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