「感情に振り回される人」の残念すぎる考え方 自分を認められないのに相手は動かせない

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「連休明けで気分が乗らない」。そんな人も必読です(写真:わたなべ りょう / PIXTA)

新年度も始まったばかりと思っていたら、あっという間にゴールデンウイーク(GW)が終わってしまったという人も少なくないでしょう。

この時期はやる気のアップダウンに要注意です。新年度を迎えて意気込んでしまいやすい人が、5月になるとやる気が継続できずに、「もう会社へ行きたくない」「もう◯◯したくない……」という気持ちになることです。いわゆる「五月病」といわれている問題です。

これを行動分析学では「認知のゆがみ」と呼んでいます。本来は、常にパフォーマンスを一定に保つことが望ましいですが、人には感情があり、その影響によって自分自身で勝手に好不調の波を作り出してしまっているのです。

どうして? 「感情」がアップダウンするのか

人には、誰にでも喜怒哀楽があります。なにかひとつの事象でも、喜ぶ人もいれば怒る人もいます。どんな出来事でも喜べる人は、両親からの教育、もしくはご自身で学ばれたか、どちらにしても自己効力感が高い方です。多くの人は小さな出来事に一喜一憂をし、感情の起伏の幅が激しいのではないでしょうか。

はじめは感情がエネルギー源になるので好調に動けます。しばらくして達成感を得られなくなると無気力に近い状態になります。この気分のアップダウンに要注意です。

最近では、自分の感情の起伏に悩まされ、「病気なのかもしれない?」と医者に相談する人が増えているそうですが、気分のアップダウンは病気ではないので、大丈夫です。目の前の出来事を、感情ではなく行動で認知していくスキルを知らないだけです。

どんな事でも「行動」に焦点を当てることにより、目的と解決策が見えてくるようになります。せっかくなら自分の人生の大半を、感情にコントロールされるのではなく行動をコントロールして、自分が選んだ道を進んでいきたいもの。今回は、拙著『どうして?自分に聞く力で問題解決!』(クロスメディア・パブリッシング)でも解説している行動科学マネジメントのABC理論を中心に、行動をコントロールする方法を紹介します。

まず、ABCとは次の3つです。

A(事象):出来事が起こる
B(認知/行動):Aに対する思考や行動
C(結果):Bに対して得られた感覚

 

Aは、事象であり環境や計画が含まれます。そのAに対して、人はBの認知や行動で反応をしています。ここで、認知を感情にとらわれるのではなく、行動に焦点を当てることでCの結果である感覚を変えていくことができます。

次ページ認知行動の転換の具体的なやり方
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