共産党小池氏「野党共闘で参院選勝利見えた」 「野合」しているのは自民・公明のほうだ

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有馬 待機児童問題についても、与党よりもよい策をお持ちですね?

小池 待機児童の話は、緊急対策で乗り切る問題ではありません。アンケートをとっているのでわかるのですが、働く女性や家庭にニーズが高いのは、やはり認可保育所です。小規模保育所を増やすなどの安倍政権の対応は、規制緩和による詰め込みという場当たり的なものです。そもそもいつまでという期限がありませんから、緊急対策でもなく、ずっと詰め込み続けることになります。

5000億円あれば待機児童問題は解決可能

「18歳選挙権の開始に備えて、従来のイメージを変えるような宣伝物を準備しています」

共産党は4月6日に、認可保育所をこの数年つまり2~3年をメドにして3000か所、人数にして30万人分作ろうという政策を発表しました。

約5000億円かかりますが、例えば今、3歳児で保育園に入っている子供は約5割、1~2歳児は約2割ですが、ニーズを計算すると、この5000億円でかなりの部分をカバーできます。

日本の保育政策は今まで旧態依然としてきました。これは賃金問題であり、国が決める公定価格が低すぎるのです。たとえば賃金は11年目からほぼ横ばいになりますが、これは結婚したらやめてくれ、と言っているに等しいし、いまだに産業ではなく子守だと思っています。国が公定価格を引き上げれば大きく前進できる話です。

有馬:共産党が描く野党連合は、反自民という考え方もさることながら、政策面では、以前よりも野党同士が近づいているという実感がわきました。

小池:さきほども申しましたが、1人区での協力がうまく進むかが勝負です。これがうまくいけば、自公VS野党の構図が出来、複数区でも野党を勝たせようという機運が高まります。北海道5区の選挙結果は、今後に期待を抱かせるものでしたし、日本の未来を希望あるものにするためにも、なりふりかまわない安倍政権の横暴は絶対に止めなければなりません。

【有馬の目】政策にブレがない、一貫性が売りの日本共産党。今回語られた全ては一議員の考えではなく、そのまま党の方針なのだ。今夏の参院選は、改憲阻止の為に一人区では全面的に野党共闘に参画。衆院選はそうはならないからダブル選なら戦術が難しいのではとは、老婆心か。いよいよ参院選は立憲主義を争点に二大勢力が競う。

 

(構成:福井純、撮影:風間仁一郎)

有馬 晴海 政治評論家

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ありま はるみ

1958年 長崎県佐世保市生まれ。立教大学経済学部卒業。リクルート社勤務などを経て、国会議員秘書となる。1996年より評論家として独立し、テレビ、新聞、雑誌等での政治評論を中心に講演活動を行う。政界に豊富な人脈を持ち、長年にわたる永田町取材の経験に基づく、優れた分析力と歯切れのよさには定評がある。ポスト小泉レースで用いられた造語「麻垣康三」の発案者。政策立案能力のある国会議員と意見交換しながら政治問題に取り組む一方で、政治の勉強会「隗始(かいし)塾」を主宰し、国民にわかりやすい政治を実践している。主な著書に「有馬理論」(双葉社)、「日本一早い平成史(1989~2009)」(共著・ゴマブックス)「永田町のNewパワーランキング100」(薫風社)、「政治家の禊(みそぎ)」(近代文芸社)など。

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