なぜ「ヤンキーの虎」は地方を支配できるのか

「伝統的エリート」では、地方を建て直せない

「マイルドヤンキー」を束ねている「ヤンキーの虎」たち。なぜ地方で強い存在でいられるのか(写真:Luxpho / PIXTA)
前回、地方経済で急速に勢力を増している「ヤンキーの虎」の存在を紹介したところ、大きな反響があった。地方消費の担い手である「マイルドヤンキーたち」を雇う「ヤンキーの虎」は、なぜ疲弊する地方経済の中でも強いのか。引き続き、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長兼CIO(最高投資責任者)が解き明かす。

ニトリHDの似鳥会長は、典型的な「ヤンキーの虎」

「ヤンキーの虎」というと、新しく出てきた勢力のような印象を受けますが、決してそうではありません。

地方の消費が、比較的低学歴で結婚・出産が早め、東京にはあこがれず、仲間・クルマ・EXILEを愛する「マイルドヤンキー」によって支えられていることは、指摘されてきたとおりです。しかし、彼らを束ねる「ヤンキーの虎」たちはもとからたくさんいて、今も「虎たち」は育っています。

「ヤンキーの虎」は、自らの地元で勢力を拡大するので、東京などの大都市に進出したいとは考えていないのが特徴です。しかし、今や誰もが知っているような大企業にも、地方出身の「虎」が独自の進化をしたケースが少なくありません。

例えばズバリ当てはまるのは、北海道を地盤とする家具・インテリア大手のニトリホールディングスです。創業者である似鳥昭雄さんが日本経済新聞の「私の履歴書」で、毎回「ヤンキー」なエピソードを赤裸々に語っていたことは、大きな話題になりましたよね。

またカジュアル衣料最大手のファーストリテイリングも、今では日本を制覇し、世界に進出していますが、元をたどれば山口県の洋装店が出発点。会長兼社長である柳井正さんはその2代目。東京で学び、いったん地元に戻って「家業」をとてつもなく大きくした。いわば「高学歴ヤンキーの虎」とでもいえる存在です。

他の全国規模のチェーンストアも、出身を見れば、もとは「ヤンキーの虎」といってもいい存在です。イオンはもちろん伝統こそありますが、三重県の虎だし、百円ショップのダイソーは広島の虎。家電量販店もそう。ヤマダ電機、ケーズデンキHDなど、大手はみんな地方の虎です。これらの企業は、地方から持ち前のド根性で戦い、創意工夫をして全国に進出して行ったのです。

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