名画の食卓を読み解く 大原千晴著

名画の食卓を読み解く 大原千晴著

食事風景や食べ物を描いた絵を21枚選び出し、メニューや食材の紹介はもとより、その当時の社会状況や食文化を解説した異色の西洋史書。題名から泰西名画の羅列を期待すると少々裏切られるはずで、壁画やタペストリー、さらに書物の挿画などが続き、絵画も中世以前のものが少なくない。もっともそれだけ時代や地域に広がりが生まれ、テーマは多彩となった。

ルノワールの明るく健康的な作品(舟遊びの人々の昼食)がモンマルトルの夜の世界とつながっていく話など、読むほどに名画を見る目も違ってこざるをえない。修道士は肉をたらふく食べていた反面、西洋なら肉食という思い込みを引っ繰り返す一節もある。権威としての宴席、着席順、食器など微に入り細をうがつうんちくは、フランスのカフェ、米国の簡易食堂やカウボーイの食事、さらに英国のアフタヌーンティーへと広がり、西洋文化への先入見を否定されること再三に及ぶだろう。(純)

大修館書店 2310円

  

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
サイバー戦争の最前線<br>日本のインフラが狙われる!

標的は個人情報だけではない。世界では、原発や銀行システムなどのインフラ、そして知的財産がサイバー攻撃を受けている。日本の対策は始まったばかり。この脅威にどう対応する?