海外展開で出遅れた日清食品、トルコ進出に活路求める

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海外展開で出遅れた日清食品、トルコ進出に活路求める

「カップヌードル」「チキンラーメン」「どん兵衛」「ラ王」などの定番ブランドを展開する、即席麺大手の日清食品ホールディングス。日本国内では約4割の圧倒的なシェアを誇る。

その日清食品HLDが、トルコへの進出を決めた。9~10月をメドにユルドゥズ社(イスタンブール市)傘下のパスタ製造会社に50%(2350万米ドル)を出資、同社をパスタ・即席麺の製造会社とするべく、12年内には即席麺生産設備の新設資金として、ユルドゥズ社とそれぞれ750万米ドルずつの増資を引き受ける。合弁会社の名称も「日清ユルドゥズ」に変更する予定だ。

ユルドゥズ社はトルコ最大の消費財(食品、日用品)メーカーであり、小売事業も行い現地に一大流通網を有する。すでにパスタの生産ラインはパートナーが所有しているため、今後は順次即席麺の生産設備を導入し、来春をめどに即席麺を投入する。

実は日清食品HLDは海外展開で、「マルちゃん」ブランドで知られる国内2位の東洋水産に出遅れている。直近決算(2012年3月期)の海外売上高は日清食品HLDが約510億円(海外売上高比率は13%)、対して東洋水産は海外売上高575億円(同18%)を稼いでいる。

米国では東洋水産が約65%のシェアを持つ一方、日清食品HLDは約33%と出遅れる。メキシコでは東洋水産が約85%、日清食品HLDが約12%と大きく差を付けられている。

世界最大の市場である中国では台湾系・頂新グループ傘下の康師傅が約4割のシェアをすでに押さえている。その康師傅に33%出資しているのが国内3位級のサンヨー食品。日清食品HLDは中国2位の今麦郎グループに15%弱出資しているほか、単独でも中国に進出しているが、顧客は上海など沿岸部の富裕層が中心で、内陸部にはまだまだ入り込めていない。

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