出世に大差!上司を攻略する「4つの視点」 上司と自分の「タイプの違い」で考える

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・「相反型」

このタイプの上司とあなたは、基本的に合わない部分が多いでしょう。しかし、上司を攻略するうえでもっとも重要なルールである「好き嫌いを捨てること」を徹底してください。相手を否定したり変えようと思わないことです。その心構えさえできていれば、補完し合う関係を築くことが可能です。上司の苦手な部分を積極的にサポートしていくことで、あなたの評価は上がっていきます。一方、部下に対して上司の陰口や愚痴をこぼすことは厳禁。対立の材料を徹底的に排除していくことが必要です。

そして、相反型の上司を超えるためには、より現場に近い課長の立場を生かし、部下にあなたの支持者を増やしていくことです。もし、部下の中に直属の上司に近いタイプがいたとしたら、将来、補完し合える存在になるように手なずけていきましょう。

「極端型」はフォロー役、じわじわと評価を上げるべし

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・「極端型」

自分と上司の得意とするところが同じ方向性でありながら、上司のほうが一枚も二枚も優れている場合。決してあなたは前に出ようとせず、一歩引きながら部下を促していくようなスタンスが有効です。また、周囲を介して上司を褒めていきましょう。その褒め言葉が自然に上司の耳に入ることを狙います。心理学でいう「ウインザー効果」です。

この上司の下にいる間、自分はサポート役、フォロー役と割り切り、相手を乗せて好きに行動させてあげましょう。そうすれば、上司は自分の目の届かない部分に目配りしてくれるあなたの評価を、じわじわと上昇させていくことでしょう。極端型の上司に対しては“敬して遠ざける”、そんなスタンスが大切です。

・「劣化型」

付き合いが最も難しいのが、この、あなたのほうが上司よりも優れている状態。自立型の会社であれば、あなたが上司を追い越すことも可能ですが、ロイヤリティ型、環境対応型の会社ではそうはいきません。

ここは遠回りになりますが、上司に対しては敬意を持って接しながら、力を蓄えていきましょう。上司がいいとこ取りをしたとしても、あなたはよりよい仕事である「実」をとっていく。そうして本当の実力者が誰かを地道にわかってもらえるようにします。その具体的な方法が、前回の記事でも触れた「上司の上司へのアピール」です。上に対しては成果を出しながらアピールをし、一方で部下たちの評価と信頼を得ていくこと。この両輪を意識しながら、あなたが得意としている力を発揮していきましょう。

いかがでしょうか。以上のような分析をすることで、出世のための具体的な行動が見えてきたのではないかと思います。

もちろん、冷静に周りを見渡してみて、自分が課長として頭ひとつ抜けだした存在であるか、役員になれる可能性があるかを考えたうえで、可能性はなさそうだ、という結論に達することもあるかもしれません。そんなときは、社内のプロフェッショナルを目指すといったほかのルートもあります。社内での自分の立ち位置と今後のキャリアの積み方を考え、よりよい人生を目指していかれますよう、私のアドバイスが少しでもそのお手伝いになれば幸いです。

平康 慶浩 人事コンサルタント

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ひらやす よしひろ

人事コンサルタント。グロービス・マネジメント・スクール講師。1969年、大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所を経て、2012 年よりセレクションアンドバリエーション株式会社代表取締役就任。大企業から中小企業まで150社以上の人事評価制度改革に携わる。大阪市特別参与(人 事)。著書に、『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』(東洋経済新報社)、『出世する人は人事評価を気にしない』『出世する人は一次 会だけ参加します』(日本経済新聞出版社)などがある。最新刊は『課長1年目の教科書』(かんき出版)。

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