高島屋の「空港型免税店」、後発組が描く戦略

2017年春に新宿で開業、銀座とつばぜり合い

3社で合弁会社を設立。左から3人目がマジョリティを握る、高島屋の木本茂社長(撮影:風間仁一郎)

2017年春、新宿駅南口に新たなインバウンドの聖地が誕生する。高島屋は新宿店の11階に「空港型免税店(売り場面積2800平方メートル)」をオープンさせ、訪日観光客の取り込みを図る。高島屋は60%を出資、全日空商事と韓国サムスングループのホテル新羅がそれぞれ20%出資し、合弁で運営会社を設立する。

街中にある免税店といえば、消費税のみを免税する「タックスフリー」が一般的だ。一方の空港型では、消費税に加えて関税、酒税、たばこ税も免除する「デューティフリー」となる。客としてはそれだけお得で需要は大きい。

ただし、運営する側としては、制度面でいくつかクリアすべき課題がある。免税対象者は「日本から出国する」ことが前提であり、販売した商品は店舗で渡してはいけない。購入者が空港などで出国手続きを終えた後、エリア内に設けられた引渡所で渡す必要があり、そのためには空港へ商品を運送し、商品を保管する倉庫も確保しなければならない。

2年前に参入の検討を開始

高島屋は2年前から空港型免税事業への参入を検討し始めたが、ノウハウがないことから、1年半前にANAホールディングス傘下の全日空商事と共同での事業展開を模索していた。さらに全日空商事が、韓国のみならず香港、シンガポール、マカオなどでも、空港型免税店を展開しているホテル新羅を引き込み、今回の合意に至った。

訪日観光客を引き寄せる新宿のポテンシャルはピカイチだ。全国のインバウンド売り上げシェアのうち、新宿と銀座がそれぞれ2割強でしのぎを削り、2つの街だけで約半分を占める。空港型免税店については銀座が先行しており、三越銀座店内において今年1月にオープン。3月末には、新しい大型商業施設・東急プラザ銀座の中に、韓国のロッテが手掛ける免税店も開業する。

新宿は、国内百貨店トップの売り上げを誇る伊勢丹新宿店がある新宿駅東口に、商業施設が集積している。ただ高島屋新宿店がある南口も、今年の春に劇的な変化を遂げる。JR駅舎が完成し、駅周辺に分散されていた高速バス乗り場を集約した新たなバスターミナル、「バスタ新宿」が4月に開業するのだ。中国からの訪日観光客は空港からバスで団体移動することが多く、高島屋にとっては強烈な追い風となる。

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