「星のや東京」、温泉だけの利用がダメな理由

星野佳路代表に聞く「都市型旅館」の狙い

インタビューを受ける星野佳路代表。取材は昨年10月にオープンしたばかりの「星のや富士」で行われた(撮影:尾形文繁)
国内各地で高級旅館やホテルを展開し、老舗旅館の再生実績も多い星野リゾート。2016年7月20日、東京・大手町に初の都市型旅館「星のや東京」を開業する。これまで軽井沢をはじめとした全国の観光地で事業を展開してきた同社にとって、初めての都市型旅館となる。狙いはどこにあるのか。星野佳路代表が東洋経済のインタビューに答えた。

日本旅館より、西洋ホテルの方が今は合理的

――なぜ、東京の中心部に旅館を作るのですか?

日本旅館の数ってご存じですか?どんどん減っていっています。特に東京ではなくなってしまった、というくらいに減ってしまった。
(注:厚労省の統計によれば、日本の旅館数は1980年の8.3万軒をピークに、2014年には4.2万軒まで半減した。現在、東京都内には約400軒の旅館が存在する)

なぜ減ってしまったのか。日本旅館は、日本の文化を体験する場所としては良いけれど、宿泊施設としては、西洋ホテルの快適性や合理性のほうが便利だよね、ということが理由だと私は思っています。

生活がどんどん西洋化していく中で、現代の人の生活に合っていないしつらえや過ごし方を無理やり押しつけても、快適になってはいきません。なので、私たちは日本旅館の進化を考えています。純日本旅館ではなく、もう少し現代の旅行者の快適性を妥協しない日本旅館を考えています。

――開業日が7月20日に決まりました。

1月12日から予約の受け付けを開始しました。私は毎年7月20日過ぎから、ニュージーランドへスキーに行っちゃうんですよ。スタッフには「どうしても間に合わなかったら、僕がいなくても開業してくれ」とは伝えたのですが、やはりいないと困るという。だから、間に合わせるようにスケジュール組んでくれたという隠れた理由があるんです(笑)

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