日産エコカー戦略の野望、戦いのルールを変える!

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 リース商売は貸し手(この場合は日産)が膨大なリース資産を保有することになり、それを賄うための負債が膨張し、財務健全性が損なわれるリスクを伴う。しかし、ビジネスが順調に回るようになれば、リース資産を丸ごと証券化して投資家に販売し、リスクを外部化することも可能だ(実際、通信業界ではソフトバンクがユーザーに貸与中の通信モデムを証券化している)。

米国では自動車販売の4分の1程度にリース方式が使われているが、あくまで完成車を手軽に買ってもらうための手段にすぎない。日産の描く電池リースは、「売ったら終わり」という従来のフロー的な新車ビジネスとは違い、購入後も顧客はリース代支払いなどを通じて日産と関係を持ち続けるストック型ビジネスになる。過去に例を見ないスキームだ。

第3のハイブリッドでゲームはもう一度動く

話はここで終わらない。電気自動車の量産開始は、日産のハイブリッド車戦略が動き出す号砲でもあるからだ。これがゴーン社長のもう1枚のエースとなる。

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