日本初の病院PFI事業 わずか5年で破綻の顛末 《特集 病院・診療所》

日本初の病院PFI事業 わずか5年で破綻の顛末 《特集 病院・診療所》

民間企業の資金やノウハウを用いて公共施設の建設や運営を効率的に行うことを目的としたPFI方式。英国生まれの同方式をわが国の自治体病院として初めて採用した「高知医療センター」(高知市、開設者は高知県と高知市、山崎隆章企業長、病床数648床)の運営が行き詰まり、PFI契約が今年度末で打ち切られる方向となった。

6月8日、病院運営をめぐる協議会の場で、オリックスグループを最大株主とする民間出資の株式会社「高知医療ピーエフアイ」(以下、SPC=PFI運営のための特別目的会社)の間渕豊社長は、病院を所有・運営する病院企業団に、「PFI契約の終了に向けて協議したい」との申し入れを行った。それを受けて同16日の病院企業団議会で、山崎企業長は「契約の終了を議題として協議したい」と提案。開院から5年目にして、官民共同運営は解消に向かうことになった。

契約解消の原因は、意外なことにコスト高だった。自治体の直営と比べて効率的な運営ができることを“売り”にしながら、医療材料などのコスト削減が計画どおり進まなかった。経営は大幅な赤字が続き、4年目の2007年度末には資金繰りが破綻。高知県と高知市から7億6000万円を借りて急場をしのいだ。

あいまいな契約が生んだ 官民の利害対立

資金ショートという破綻の兆候は、すでに開院2年目には見えていた。本誌06年7月29日号は、高知医療センターの経営問題について詳報。「あいまいなPFI契約」が企業団とSPC間の紛争の原因になりかねないことを指摘していた。

当時から問題になっていたのが、医業収益に対する医療材料費比率をめぐる数値目標だった。

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