杭打ち問題の旭化成、新社長が背負う十字架

失った信頼の回復へ、新体制が4月にスタート

2月9日の会見で辞任することを明かした浅野社長(右)は「トップとしてのケジメ」という言葉を口にした(写真:風間仁一郎)

「今回の問題で大きな社会不安を引き起こし、旭化成グループだけでなく、建設業界への信頼も揺るがすことになった。ここで私としては、旭化成グループのトップとして、こういった形でケジメをつけるべきと判断した」

子会社・旭化成建材による杭打ち工事の施工データ偽装問題を受け、旭化成本体のトップが引責辞任することになった。

浅野敏夫社長が4月1日付で相談役に退き、後任に小堀秀毅専務が就く。また、旭化成建材の前田富弘社長も同職から退く。旭化成でグループの住宅・建材事業を統括してきた平居正仁副社長は、6月の株主総会後に取締役を退任する。

社長就任からわずか2年で退く

旭化成をめぐっては、横浜市内の大型マンションが傾いた問題で旭化成建材が担当した杭打ち工事の不備が疑われ、同社が杭施工報告書で施工データを偽装していた事実も発覚。その後、旭化成が過去の工事案件を調査したところ、360件で同様のデータ偽装が行われていたことが判明し、大きな社会問題になった。

2月9日に開かれた辞任会見では、まず浅野社長が自身の辞任について冒頭のように説明。さらに「(後を引き継ぐ)小堀さんには、新しい体制下で信頼回復を果たし、社会の皆様、顧客の皆様をはじめ、多くのステークホルダーの皆様の期待に応えて欲しい」と期待を託した。

それまで医薬品事業のトップだった浅野氏が社長に就任したのは2014年4月。皮肉にも、主力とはいえない建材事業での不祥事により、在任わずか2年で退くことになった。

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