「合同企業説明会」は必要なのか不要なのか リクナビの仕掛け人が語る「合説」のすべて

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そもそも合説の歴史は古く、50年以上前から続いています。しかも「会社がブースを設けて学生と直接会う」という基本的な形式は、この半世紀間まったく変わっていません。合説は学生と企業の本質的な要望に応えた仕組みなのだと思います。だからこそ、50年変わることなく、むしろ参加企業も参加学生も増え続けているのでしょう。

――「大学内でも企業説明会はたくさん開催されるし、OBやOGと直接会って話す機会もある。興味のない企業も多数参加する合説に行く必要はない」という学生は少なくありません。

実際に足を運んでそう判断されたのであれば、私はそれでも構わないと思います。20歳をすぎた学生たちは、勤務経験はないものの大人です。大人として自分で判断して、自分で行動すればいいと思います。

ただ、大手人気企業が大学内で行われる企業説明会だけでなく、こぞって合説に出展するのはなぜか。それは「学校名」や「エントリーシート」だけでは探れない、測れない、ナマの多様な個性と出会いたいという意志の表れです。そしてそれは、学生にとっても同じではないでしょうか。

いわゆる「知名度」や「イメージ」だけではわからない新しい出会い。そういう機会を無駄にしないでほしいと思います。私の実感では最初から業界を決めていたという人は、全体の10%もいません。

多くの学生にとって、就活をしながら志望業界や企業がどんどん変化していくのは当たり前のことです。自分の未来の選択肢を広げていくためにも、一度視野を広げてみることが大事だと思います。

合説のメリットは、業界や規模等、多種多様な企業が参加していることです。身近なOBとの接触や学内合説と比較しても、視野を広げるチャンスが大きいと考えています。

就活の基本ルールをしっかり伝えたい

――「人が多くて、どこからどう回ればいいのかわからない。周りに圧倒されて疲れるだけだ」という不満も学生から聞かれます。

確かに会場にいると、「(キャリアセンターが勧めるので)とりあえず来た」と、何もせずにぼ~っと立っている学生さんをたまに見かけます。スタッフが声をかけるようにしていますが、本人にやる気がなければ行動を押し付けるわけにもいきません。せっかく時間をかけて来たのに、もったいないと思います。

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