米国以外「すべて沈没」という驚愕シナリオ 影のCIAが「地政学」で2030年の世界を読む

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衝撃的な未来がやってくる!?(写真 :jannoon028 / PIXTA)
2030年までに、いったんは米国中心主義が薄れる。しかしその後、ロシア、欧州、中国は次々に自滅し、米国は世界で圧倒的な超大国になる――『地政学で読む世界覇権2030』を上梓した影のCIA「ストラトフォー」元幹部の筆者が、ウォール・ストリート・ジャーナル、ブルームバーグ、APなども注目する衝撃の未来を予測する。

地政学によって導き出された将来とは?

中国、欧州、ロシアは次々に自滅。世界は確かに破滅に向かっている。しかし、アメリカだけがそれを免れる。気鋭の地政学ストラテジストが、2030年以降の世界地図を読み解く

地政学とは、ある土地が、そこに存在するあらゆるものにどう影響を及ぼすかを考察する学問だ。住民の衣服、食べ物、抵当のサイズと有用性、何歳まで生きられるか、子供の数、仕事の安定性、政治システムの形態とその実感、どんな戦争を仕掛けたり防衛したりするか、そして究極的にはその文化が時の試練に耐え抜けるかどうか。川、山、海、平原、砂漠、ジャングルなどの相互のバランスが、そこに住む人間の生活と、国家としての成功の双方に決定的に影響するのだ。

その結果導き出された結論は、しばしば私を落ち着かなくさせる。わが家には太陽光パネルが設置されているが、将来の世界では石炭が君臨し続けるだろう。

私は自由貿易と西側諸国の同盟ネットワークこそ史上最大の平和と繁栄を保障する枠組みだと考えているので、これを強く支持している。しかし地理を研究すると、どちらもやがて放棄されるという結論を出さざるをえない。

私は規制の少ない政府こそ富と自由の幅広く迅速な分配を可能にすると考えているので、小さい政府を支持している。しかし人口動態を検討すると、やがて私の収入のより多くの部分が、ダイナミズムに欠け、責任の所在が不明なシステムに吸い上げられるようになりそうだ。

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