過去問だけではもう通用しない?
5年後、大学入試が大きく変わる

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2021年から大学入試が大きく変わる。その改革の中心となるのが、「思考力」「判断力」「表現力」を重視した入試問題だ。現在中学1年生の子どもたちが、5年後に直面することになる大学入試改革。具体的にどのような改革が進み、どう対応していけばいいのか。Z会グループの新しい学力についての研究機関である基盤学力総合研究所ジェネラルマネジャーの上之門宏美氏に解説してもらった。

センター試験に代わる新たな試験の導入

中央教育審議会の答申案に基づき、2021年以降、センター試験に代わり「大学入学希望者学力評価テスト(仮)」がスタートする。こうした入試改革が行われる背景とは何か。基盤学力総合研究所ジェネラルマネジャーの上之門宏美氏はこう説明する。

「21世紀は、予測不可能で誰もが避けられない激しい変化が、ものすごいスピードで起こっていく時代だと言えます。グローバリゼーション、ICTの進展によって、これまでの常識が通用しない社会が到来しつつあります。こうした変化に対処していくためには、新しい価値を生み出す人材を育てていく必要があります。今回の改革は、そうした社会の要請が大きく影響していると考えられます」

上之門氏によると、今回の改革は、実社会で活躍する人材を育てるために、高校教育→大学入試→大学教育の3つのプロセスを一体的に改革していくという点が重要である。

「大学側から見れば、卒業までに実社会で活躍できる人材に育てていくためには、大学入学段階、つまり高校においてそうした素養を育成しておいてほしい、という要望があります。一方で、高校側から見れば、大学側が課す入学試験が教科学習中心で、実社会につながるような学習活動は直接的に評価されないのであれば、教育のあり方を大きく変えていくのは現場判断として難しい、という意見があります。そこで今回、文部科学省が企図したのは、入試制度をただ変えるのではなく、『全部を変える』ということなのです」

問われる思考力、判断力、表現力

具体的には、どのような改革が進められようとしているのか。

「今までのセンター試験は、問題に対して選択肢の中から正解を一つ選ぶという形式でした。新しく導入される大学入学希望者学力評価テスト(仮)は、思考力、判断力、表現力を養うために、問題を発見し、解決する力を見るというところに狙いがあります。何を知っているかではなく、知っていることを使って未知の問題にどのような答えを出していけるのか。それを自分の言葉で伝える力を求めています。知識を組み合わせていく応用力に加え、答えを導くまでの考えの道筋をきちんと説明できるかどうかが問われてくるのです」

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