仕事のできない人は不穏なセミナーにハマる 明確な出口戦略がなければ利用されるだけだ

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特に、次のようなセミナーには要注意です。

① 受講中に参加者の自由を奪うセミナー

洗脳は、新しい思考に入れ替えることです。そのためには、一度、脳を混乱させて、書き換えやすい状態にします。

② 大音量の音楽で感覚を麻痺させるセミナー

③ 音楽を大音量で流すことは、軽い催眠状態を引き起こし、参加者の判断能力を下げる効果があります。

④ 参加者の人格否定をするセミナー

まっとうな思考や判断ができなくなった状態で、「あなたは最低の人間だ」「あなたは他人にまったく感謝していない」などといった言葉を浴びせて全人格を否定します。

これにより、新しい人格を植えつける準備が整います。

信者をつくるセミナーとまっとうなセミナーの違い

こうした洗脳をして「信者」に仕立て上げることで、セミナーや組織に過度に依存する状態に置きます講師や主催者にとっては、それがお金儲けをするうえで一番都合がよいのです。依存状態にしておけば、「信者」はいつまでもお金を落としてくれます。

こうした「信者」をつくるセミナー講師や主催者は、2つの「かんじょう」のうち「感情」より「(金)勘定」の比重が極端に高い傾向にあるといえるでしょう。では、「信者」をつくるセミナーと、まっとうなセミナーの違いは、なんでしょうか。

それは「出口があるかどうか」です。

特にビジネスセミナーのゴールは、ビジネスで成果を出し、お金を稼ぐことです。成功して自立を果たした人は、セミナーから卒業していきます。筆者がビジネス著書の筆者を養成している「セミナーやスクール」でいえば、参加者の出版が決まればそこが出口になります。

どんなセミナーにもいえることですが、筆者のセミナーにも繰り返し足を運んでくださり、筆者のアドバイスを素直に聞き入れたりしてくれる参加者がたくさんいますが、それらの多くは「成果を出すには、講師の言うことを素直に聞き、実践するのが近道だから」と自分で判断したうえで、参加しているのです。

ただし筆者は、セミナーに依存しすぎている傾向が見て取れる人には、こんな言葉をかけています。「○○さんがセミナーに毎回来てくださることはとてもありがたいことです。でも、ずっとこのままでは、ご自分のためにはならない。だから、セミナーでインプットすると同時に、アウトプットをして出口を見つけてください」と。

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