2008年に金融危機が襲った際、多くの評論家たちは、「なぜ市場や規制当局、金融の専門家はそれが予想できなかったのか」と問うた。今日、サイバー攻撃に対する世界経済の脆弱さについて同じ質問が出るかもしれない。
現代の経済が大規模なコンピュータシステムに依存していることはどんなに強調しても十分でない。サイバー攻撃による最大の脅威は、極めて洗練されたコンピュータウイルスを開発する能力を持つ「ならず者国家」によるものだが、無政府主義のハッカーやテロリスト、さらには自然災害によるコンピュータの故障もリスクとなる。
専門家たちは長い間、電力供給網が最大の弱点であるとしてきた。現代の経済は電力がなければ崩壊するからだ。この見方に懐疑的な人々は、低コストの妥当な予防的措置を取れば、大規模なサイバーメルトダウンはありえず、終末論者は最悪のシナリオを誇張していると論じる。彼らは、07年の映画『ダイハード4』にあったように、サイバーテロリストや脅迫者たちが世界経済を崖っぷちまで追い詰める力を持つことはまったくのフィクションだと言う。
どの意見が正しいかを判断するのは難しい。しかしながら、政治経済学的な観点において、サイバースペースの規制と金融の規制は驚くほどに類似している。
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