アメリカでも「結婚しない世代」が台頭する 結婚するとして、その意味は「愛」だけに?

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ここには人種の問題が大きく絡んできます。恋愛の項で明記したように、アメリカで大学以上の学歴を持つ人の8割は白人です。

ミレニアルズの中にも「格差」がある

それをはっきり表しているのがこの数字です。黒人の72%がシングルマザーから生まれ、ラティーノの53%。白人は29%という大きな差があります。

同じくアメリカの婚姻率を引き下げているのもブラックとヒスパニックのマイノリティです。同じミレニアルズと言っても大きな格差が存在しているのです。

これからのアメリカは、移民(特にヒスパニック)とその子どもたちの急増で白人の比率がますます減っていくと予想されていますが、同時に白人とマイノリティとの格差の広がりが大きな問題となっています。

このように多様化し複雑化する格差社会で、果たして将来の結婚は特権化していくのでしょうか? 

6)ミレニアルズの恋愛・結婚観に影響を与える同性婚、異人種間婚、タブーの消滅

人種の多様化に伴う変化と関係しているのが同性婚への意識です。ここ数年、全米で解禁されつつある同性婚を、ミレニアルズの75%が支持しています。これは、全世代の支持率60%に比べてかなり高い数字です。

多人種が共存していくということは、自分と違うライフスタイルを認めリスペクトするということで、同性婚を認めるというのも同じ感覚です。そしてそれは彼ら自身の恋愛、結婚観にも影響を与えているはずです。

一方、異人種間の結婚も増えています。異人種間の結婚は1980年にはわずか6.7%だったのに対し、2010年には15%にまで倍増。異人種間の結婚に対するタブー意識も減りつつあることがわかります。

こうした変化に伴い、ミレニアルズの恋愛観、結婚観は刻々と変化している真っ最中と言っていいかもしれません。

 

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶応義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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シェリー めぐみ ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター

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横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。

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