事件や出来事、流行した商品、音楽、ドラマ……。生きた時代によって、人間の経験には違いが生まれる。人生観、金銭観、恋愛観も、時代と環境によって、大きな影響を受ける。
だとすれば、「各世代の特徴と違い」を的確に知ることで、「年が離れた人」とも会話が弾み、相手への違和感も消える。ビジネスシーンや商品開発にも有効な武器になる。
新刊
『日本初!たった1冊で誰とでもうまく付き合える世代論の教科書』は、戦後70年の6つの世代――「団塊世代」「ポパイ・JJ世代」「新人類世代」「バブル世代」「団塊ジュニア世代」「さとり世代」――を日本で初めて1冊にまとめて解説した本で、今、話題を呼んでいる。
新刊の発売を記念し、「世代論」の連載をスタートする。それぞれの世代の特徴とは何なのか? 「自分の世代」と「あの人の世代」との違いは? 共通点は?
今回のテーマは、「20代の『消費離れの原因』と『それでも欲しいモノ』について」。
「モノを買わなくなった」と嘆かれる最近の若者たち。消費に対して消極的な姿勢はいったいどこから生まれてくるのか。そして、どんなモノならおカネを遣うのか。20代若者の「本音と傾向」を探ってみたい。
「車はいらない。お酒も飲まない。モノもそれほど欲しくない」
「海外旅行も面倒。それなら近場へ小旅行か、近所を散歩するほうがいい」
かつて若者の「三種の神器」といわれた「車、酒、海外旅行」に見向きもしない若者たちが、続々と誕生しています。
ある調査結果(『日経MJ』2007年)によると、「乗用車に興味がある」という質問に対して、「興味がある」と回答した20代の比率は、2002年の「74.1%」から、2007年には「53.5%」へと5年間で急減しています。上の世代には常識だった「車、酒、海外旅行=楽しい生活」という図式が成り立たなくなっているのです。
そういう20代を指して「消費離れ」と呼ぶことも増えていますが、もちろん20代の若者も「欲しいモノ」はあります。ただ、「おカネを遣う対象」が、上の世代とは異なっているのです。
では、いったい、どんなモノなら、若者はおカネを出してまで欲しくなるのか? そもそも、なぜ若者は「車、酒、海外旅行」に興味がないのか。
若者たちが「消費しない原因」をおさらいしながら、その答えを探ります。
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