星野リゾート「観光列車」車内料理の豪華に仰天 青い森鉄道が運行「酒のあで雪見列車」に乗車

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列車の準備をしていたら、参加者がホームに降りてきた。

参加者は、11時に青森屋に集合。青森屋は三沢駅から徒歩15分ほどだが、参加者の多くは青森屋に宿泊している。

ホテルからはバスで三沢駅へ移動し、11時半から駅への入場を始める。参加者には記念の硬券きっぷが配られ、改札では駅員さんが、特別に鋏できっぷを切ってくれる。

募集人数は30人で、1ボックスの定員は3人まで。4人掛けの席だが、料理やお酒が所狭しと並ぶのを見ると、3人以上は難しいことがわかる。

ホームには青い森鉄道のイメージキャラクター「モーリー」が見送りに来てくれていた。列車は三沢駅を11時45分に出発、13時5分に青森駅到着なので乗車時間は約1時間20分ほどだ。

「まぐろ尽くしの酒のあで」とお酒、お品書き(筆者撮影)

「まぐろは捨てるところがない」を実感

今回の料理名は「まぐろ尽くしの酒のあで」。酒の「あて」というには豪華すぎる料理に驚く。壱の重が、まぐろのなめろう、まぐろのお造り、まぐろの田楽、漬けまぐろの山掛け、まぐろとアボカドのサラダ、串かつももちろんまぐろだ。弐の重が、にぎり寿司まぐろ3種、まぐろ焼霜造り、まぐろの血合いのしぐれ煮、胃袋のぬた和え、皮の煮こごり、心臓のガーリック炒め、磯辺揚げ、など。

途中から「まぐろ」と付けるのを省いたが、もちろん全部まぐろ。それにしても胃袋や心臓や皮などは、初めて食べる。「まぐろは捨てるところがない」と聞くが、まさにそれを実感する料理だった。

お酒はまず、熱燗の「男山」をヒレの入ったカップに注いで飲んだ。まぐろのヒレは、ほんのり魚くささはあるが、悪くない。さらにまぐろに合う、そのままの名前の「駒泉」の「マグロ」。これは常温がいいらしい。「桃川」は冷酒となっていた。もちろんすべて青森の酒蔵のものだ。

車両を移動して、お囃子演奏は2回行われる(筆者撮影)

感心しながら食べていると、お囃子の生演奏が始まった。演奏するのは下新町愛好会のみなさま。生演奏を聞きながら、雪景色を見つつ豪華な料理とおいしいお酒をいただく。なんて贅沢な時間なのだろう。

やがて列車は野辺地駅に到着、ここでしばらく停車する。とりあえずホームに出て記念プレートを持って写真を撮ってもらった。

その後、浅虫温泉近くでは、海が見えるところで列車は徐行。曇っていたが、海の向こうにぼんやりと津軽半島が見えた。

そしてついに終点の青森駅に到着。参加者が満足気な表情で降りていく。また、飲みきれなかったお酒は持ち帰ることができる。

三沢駅から青森駅までの往復列車運賃と地酒、まぐろ尽くしのあでセット、お囃子生演奏、オリジナル切符ホルダーが付いて、料金は大人1万円、子供8500円(ともに税込)。通常の三沢―青森間の運賃は1830円、往復で3660円だから、この内容ならかなりお得ではないだろうか。

オリジナル切符ホルダーと浅虫温泉付近の景色(筆者撮影)
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