テスラ取締役会は「イーロン・マスク忖度」集団だ 裁判所や投資家を敵に回す所業の数々

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デンホルムは、デラウェア州から法人登記を移転させる決定は、デラウェア州の司法制度から逃れる試みではなく、テキサス州で存在感を高めている企業にとっての論理的なステップだという見解を示した。

株主に対しては、「当社はテキサス州に製造、オペレーション、エンジニアリング部門の従業員を多数抱えており、幹部もテキサス州に拠点を置いている」と伝えた。

また、取締役会は独立性を保っていると主張。デンホルムによると、マスクの報酬プランの評価を行った取締役は、ケロッグとウォルグリーンで人事取締役を務めたキャスリーン・ウィルソン・トンプソンで、この人物にマスクとの個人的なつながりはないようだ。

競争力低下の懸念に取締役会は…

テスラ取締役会は同社が電気自動車(EV)市場での支配力を失いつつあるという懸念には向き合わず、デンホルムはテスラの今後について楽観的な見通しを示した。

「テスラは、比類のないイノベーションの速度を備えた機敏な組織であり、先見性あるリーダー、そして何より世界で最も優秀で献身的な従業員のおかげで、あらゆる期待を上回る製品とサービスを生み出してきた」と、デンホルムは株主に宛てたメッセージで述べた。

そして、そういった従業員の10%を解雇するという決定は、コストを削減し、生産性を向上させて、「次の成長段階に備える」ために必要だと付け加えた。

(執筆:Jack Ewing記者)
(C)2024 The New York Times

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