「日本のハンバーグ」外国人が夢中になる納得の訳 白米と食べる「立派な和食」になった経緯

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神戸には、和牛と国産牛100%の肉だけで仕上げたハンバーグに、牛脂をトッピングする、「ハンバーグと牛タンとお米 神戸赤ふじ」が、2022年秋に開業し、こちらも行列が絶えず、今年3月に3店舗目がオープンしています。また、福岡の「極味や」では、韓国からハンバーグを目当てに来日する人が多いとか。

これらのお店に共通するのが、炊き立てのご飯と焼きたてのハンバーグを提供していること。和牛や国産牛と、肉にこだわり、野菜やパン粉などは入れず、または極力減らし、ほぼ肉だけで仕上げたハンバーグを提案しているということ。そして、目の前でハンバーグを焼き上げ、仕上げは食べる本人が好みの焼き具合を調整するライブ感が体験できることです。

また、中にはハンバーグの大きさが通常より小さめの60gや90gを2〜3個を提供し、肉肉しい食感を熱々で味わえ、タレを変えて味変できるよう工夫されているお店もあります。

白米の上にハンバーグを乗せて“オンザライス”で食べるのを推奨していることも特徴です。“ハンバーグオンザライス“といえば、グルメエンターテインナーとも呼ばれるフォーリンデブはっしーさんが、おいしいハンバーグの食べ方として、5、6年前くらいから発信していたもの。これが一人歩きして、メニューになったとも推測できます。

白米にハンバーグ、という和食的な食べ方(写真:筆者提供)

ハンバーグは白米で食べる「おかず」に

どの店もご飯にこだわるのは、ハンバーグは白米で食べる「おかず」であることを証明しており、洋食ではなく完全に和食へと認知が変化したと言えます。特に、外国人にとっては、ラーメンやカレーのように和食と見られているのです。

銀座の「挽肉屋 神徳」に至っては、ハンバーグに出汁をかけて食べる「和出汁ハンバーグ」があり、和食濃度濃い目のメニューを展開。ハンバーグ出汁茶漬け、という新しい食べ方を提案しています。牛、豚、羊、鮪や鯛のハンバーグもあり、さまざまな味を複数のタレで味わえるようにもなっています。

どのお店も、1人でも気軽に入れ、サービスもしやすいカウンター席が多いのは、オープン時期が、三密対策が叫ばれたコロナ禍であったからかもしれません。

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