「最強生物クマムシ」放射線で死なない理由が解明 「鬼滅の刃」の鬼のよう? 驚くべき修復能力

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驚くべきDNA修復能力

また、クマムシのDNA修復遺伝子は常時大量に発現しているわけではなく、放射線を検出したときに反応して発現量が上昇していることもわかった。

「クマムシは電離放射線を感知し、特定のDNA修復経路遺伝子を大量に亢進させている。この能力は、DNAの完全性を維持する解決策の進化形を表しているかもしれないという仮説を立てている」と、論文は述べる。

科学雑誌イーライフに掲載された査読前論文によれば、フランスの研究者たちも、まったく独立した実験で同様の結果を得ており、その結果、放射線損傷からDNAを保護する可能性のある新しいクマムシタンパク質も発見したという。

「各研究所の結果が独立した形で、互いの研究結果を裏付けていることに、感動している」とゴールドスタインは語った。

(執筆者:ジェス・トムソン)

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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