東大生厳選!GW前に読みたい「思考力高める3冊」 東大生は「考える力」を意識しながら読書する

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『学問のすすめ』なので、当然と言えば当然ですね。このように「学問とはそもそもどういうもので、どんな価値があるものなのか」ということについて語っている本なのです。

さて、東大生がこの本を読んでどんなことを考えるかといえば、「本当に福沢諭吉が言っていることは正しいのか」ということです。

「学問」=(現代で言えば)「勉強」ですが、勉強していれば上の立場になって、勉強しなければ下の身分になってしまう、というのは、現代においても適応可能な話なのでしょうか。

昔の作品から、現代を比較して考える

日本の受験システムはペーパーテスト一発で、平等性が一定担保されていると言われています。一方で、教育格差はますます広がっています。

「勉強できなければ下の身分になってしまう」と福沢諭吉は語っていますが、現在社会で考えると、そもそも学びたくても、十分に教育にお金を投資できない家庭環境で育ち、塾にも通えず、思うように勉強できない子どもたちも一定層いるのです。

このように、昔の作品を読んで、現在と比較してみたり、時代を超えて正しいと感じられる部分はどこなのかを考えいくことができる点で、『学問のすすめ』は「考える読書」にぴったりの1冊だと言えるでしょう。

2 東大合格はいくらで買えるか? 

『東大合格はいくらで買えるか?』(星海社新書)。(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。

先程とは打って変わって、今度は教育格差に対して真っ向から切り込んでいく1冊、『東大合格はいくらで買えるか?』(布施川天馬著)です。

東大に合格している人の多くが、十分に教育に投資をすることができる家庭で育った人たちです。

小学校低学年から子供を塾に入れて、中高一貫の名門私立中高に行かせて、予備校にもたくさん通わせて、その結果として東大に合格しています。

この本には、教育への課金金額について東大生やその親御さんにアンケートを取って調べたところ、その金額が「1380万円程度」であるという結果が出たと書かれています。

『学問のすすめ』の部分でも述べたように、ペーパーテスト一発で大学の合格が決まる日本の入試システムですが、1380万円を投資できる家庭は少ないため、どうしてもお金のある家庭が有利になってしまうわけです。

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