「結婚しないと老後は孤独」という発想の落とし穴 結婚関係なく「3人に1人は60歳で独身」という現実

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単純に全体の平均寿命が延びた分だけ、60歳時点での独身率が減り続けたわけですが、それは裏を返せば、戦前は老後に一人ぼっちに戻っても、寿命の関係で「一人で生きる期間」は短かったことになります。しかし、男女ともに平均寿命が80歳を超える現代においては、60歳で一人に戻ったとしたら少なくともあと20年は一人で生きていく必要があることになります(高齢再婚でもしない限りは)。

むしろそうした「老後一人ぼっち」という覚悟ができているのは、未婚者及び婚歴有でも女性のほうだけで、現在既婚の男性は「妻が看取ってくれる」と安心しきっている場合が多いのではないでしょうか。だからこそ、定年退職後に熟年離婚などを突きつけられると、一気に話し相手のない生活となり、元既婚男性のほうが途方に暮れるのです。

婚歴有の還暦独身率・都道府県ランキング

さて、そんな婚歴有の還暦独身率ですが、都道府県別の違いについても見てみましょう。男性の1位は、宮崎県、次いで沖縄、福岡と続きますが、トップ10の中に、九州沖縄勢が6県も含まれます。一方、女性の1位は沖縄県、次いで青森、宮崎と続きます。男女ともトップ10は、宮崎、沖縄、福岡、鹿児島、高知、愛媛、北海道、大阪でほぼ共通しています。反対に、男女共通して婚歴有の還暦独身率が低いのは、滋賀、福井、長野あたりとなっています。

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