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マイクロソフト"心臓部"で見た「AI革命劇」の本質 世界一アツい企業の内部は静寂に包まれていた

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生成AI電撃戦を仕掛け、世界を熱狂させた巨大IT企業の実像とは。

マイクロソフトの本社風景
マイクロソフトの本社取材、現役社員らの証言を通して見えたのは、サティア・ナデラCEOが築き上げた本質的な強さだった(写真:マイクロソフト)

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この1年、生成AI電撃戦で世界中を熱狂させたマイクロソフト。アメリカ・シアトルの本社取材、現役社員やOBなどの証言から、圧倒的な強さの源泉を探った。
※本記事は2024年4月15日5:00まで無料で全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。
【配信予定】4月9日(火)
撮影厳禁!マイクロソフト「AI半導体」開発の内幕
4月10日(水)
マイクロソフト「日本人幹部」が明かす激動の裏側

坂の多い港町を、カモメが優雅に飛び交う。断続的に降るミストシャワーのような霧雨に、地元民たちは傘1つ差そうとしない。これが、アメリカ西海岸に位置する閑静な都市、シアトルの日常なのだろう。

自然豊かな環境で、海産物や農産物の産地としても知られるが、実は世界的企業の重要拠点が集積する地でもある。ECの巨人であるアマゾン・ドット・コムや、人気カフェチェーン・スターバックスの本社、任天堂のアメリカオフィス……。

豪華な顔ぶれの中でも、ひときわ“アツい”企業の本社がこの街にある。マイクロソフトだ。

この1年余り、テック界隈から投資家まで世界中を熱狂させたマイクロソフト。「生成AI電撃戦」を仕掛けて“革命児”の印象を植え付けた一方、それ以前から、7期連続で増収増益を達成してきた優等生でもある。2023年初頭には2兆ドルに満たなかった時価総額は、足元で3兆ドルを突破。アップルを抜いて世界首位に躍り出た。

その「熱源」を探るべく、記者は3月初旬にシアトルの本社に足を踏み入れた。

気付いたら東京ドーム30個分の敷地の中に

シアトルのダウンタウンから、車で30分ほど北東に向かう。車窓から風光明媚な名山・マウントレーニアを眺めていると、いつの間にか、日本でもお馴染みの4色ロゴが掲げられた建物が建ち並ぶエリアに入っていた。

マイクロソフトの本社風景
100以上の施設が集まる本社地区。広大な「キャンパス」を巡回するバスも用意されている(記者撮影)

「ここからマイクロソフト本社地区」と案内する標識や、柵のようなものはない。公道を挟んで、約1400万平方フィート(東京ドーム約30個分)に及ぶ広大な敷地に100以上の施設が集まっていることから、記者はてっきりまだ街の中にいるのだと錯覚していた。

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