以上、Z世代が会社や職場に冷めて「静かな退職」を選ぶ要因を5つ挙げた。
改めて5つの点を整理すると、以下の通りだ。
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最後に、どうすれば意欲的に働く人が増えるのかについても触れておきたい。
1つは、やや乱暴な考え方かもしれないが、「新卒で就職した会社を全員3年で辞める(転職する)」ことだ。
1つ目に選んだ職場が自分にとって「適職」である可能性は低い(「適職」だったとしても比較対象がないのでそう思えない)ため、最初の就職の3年間は「社会人学校」と捉えて、できれば全員が20代早期で転職したほうがいいのではないかと思っている。
現在は転職も一般化しており、以前のように「転職=悪」のような状況ではなくなった。1社目しか知らない状態で「静かな退職」状態となってしまうのであれば、転職しやすい状況をうまく活用して「自分の適性や仕事観に合う仕事」を探すことを強く勧めたい。
実際、就活支援の現場感覚でも、2度目の就職のほうが納得感を得られると確信している。納得して選んだ職場であれば、「静かな退職」になる可能性はグッと減るはずだ。
Z世代にとっての仕事の目的を知る
もう1つ大事なことは、経営者層が、Z世代にとっての仕事の目的は「お金を稼ぐ」だけではなくなっていると、認識を新たにすること。
SNSなどを通じて「自分らしさ」を発信しやすくなった中、今の若者たちは自分を表現することに慣れてきている。そして、仕事に対する認識も「お金を稼ぐこと」に加えて「自己表現」を求めるように変わってきているのだ。
だから、お金を稼ぐ以外の働く理由、つまり「やりがいを見出せる」という会社に生まれ変わっていかないと、いっそう若手人材は採用できなくなっていくだろう。「お金を稼げるんだから働くはずだ」という考えでは、若手の採用は難しいし、採用した人材も「静かな退職」を選んでいくことになる。
「静かな退職」という概念が広まったことは、社会の仕組みを見直すいい機会なのかもしれない。
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