それから4年。2024年現在、アパアプリのダウンロード数は500万を超えている。OTA(オンライン旅行代理店)からの予約をのぞき、自社システムでの予約は7割以上がアプリからだ。
理由は、指先一つでできる手軽さ。そして、予約成立時にアパが8~15%の手数料を取られるOTAよりも、自社システムからの予約を最安値とする「ベストレート宣言」をしていることにある。
顧客満足度向上とDXによる省人化、2兎を追う
2023年5月には、新たなアプリも誕生した。滞在者専用アプリ『APA Stay Here』だ。
ノーマルの『アパホテル』以外の4ブランド、『アパホテル&リゾート』『アパホテルステイ』『アパホテルエクセレント』『アパホテルプライド』への導入が順次始まっている。
新アプリのコンセプトは「1Guest,1Digital Concierge」。滞在の延長やマッサージの予約、レストランの食券購入など14の機能を備えている。
こちらのアプリの開発目的は、ゲストからの内線コールを極力減らすとともに、「かゆいところに手が届く」コンシェルジュのようなサービスをデジタルで実現することにあるそうだ。
2つのアプリから見えてくるのは、「顧客満足度の向上」と「DXによる省人化」、一見相反する両者を、同時に追求するアパの姿勢だ。
アパアプリは、利便性と「忙しいゲストの時間を奪わない」スピード感で、『APA Stay Here』は、デジタルながらも手厚いコンシェルジュのようなサービスで、それぞれに顧客満足度を向上。その裏で、どちらも煩雑な顧客とのやりとりを減らし、従業員の作業を軽減している。
元谷氏は、「日本の人口がどんどん減っていくなか、人員確保は難しくなりつつあり、これからさらに省人化が必要になります。そこで大きな役割を果たすのが、アプリをはじめとするDX化です。アパでは今後もDX化による顧客満足度の向上を推進していきたいですね」と話す。
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