日本初のTSMC工場は半導体産業再興の起爆剤になるか。
【配信予定】3月18日(月)
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2月24日、熊本県の菊池郡菊陽町。広大なキャベツ畑で朝から農家が収穫作業に追われる中、その向かいにそびえ立つ巨大な半導体工場には、国内外の要人が続々と集まっていた。
「日本における半導体製造の“ルネサンス”の始まりだと信じ、期待しています」
この日行われていたのは、台湾にある世界最大の半導体製造受託会社・TSMCによる熊本工場の開所式だ。同社創業者である張忠謀(モリス・チャン)氏も来日。日本の半導体製造への期待をセレモニーで語った。
1931年生まれのチャン氏は、米国の大手半導体メーカー、テキサス・インスツルメンツの副社長を務めた後、87年にTSMCを創業。2018年に引退するまでTSMCを率いた、立志伝中のカリスマ経営者だ。その言葉に会場は沸き立った。
日本政府が必死の誘致
TSMCが総投資額86億ドル(約1.2兆円)を費やして熊本県に半導体工場を建設すると発表したのは21年10月のこと。米中対立やコロナ禍でのサプライチェーン混乱を受け半導体政策に力を入れる日本政府の必死の誘致が功を奏した。政府からの支援額は最大で4760億円に上る。
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