マーガリンはなぜ黄色いのか?
マーガリンはなぜ黄色なのか、不思議に思ったことはないだろうか。
製造過程でそうなるものだと思っているかもしれないが、実は、最初に発明されたときのマーガリンの色は、少しくすんだ白。細かい人なら「灰色じゃないか」と言いそうなカラーだったのだ。
マーガリンが現在よく知られる見た目になったのはだいぶあとのことで、きっかけを作ったのはルイス・チェスキンというウクライナ出身の心理学者だ。
1940年代、マーガリンメーカーのグッドラック社が伸び悩む売上をなんとかしようと、チェスキンの力を借りることにした。
買い物客がマーガリンを買わずにバターを選ぶ理由を知るため、チェスキンは実験を行った。ランチタイムのセミナーを開き、地元の主婦を招待する。主婦たちは講義を聞く前に、まずランチビュッフェを楽しむ。といっても特別なメニューではない。三角形に切った食パン、それからバターを小さくカットして溶けないように冷やして並べた。
講義が終わると、チェスキンは参加者となごやかに雑談をした。「講義はどうでしたか?」「長すぎませんでしたか?」「発表者の服装をどう思いますか?」。そして、こんな問いを投げかけた。
「ああ、それから最後にもう一つ。食べ物はどうでしたか?」
チェスキンは実験を6回繰り返し、そのつどバターとマーガリンを入れ替えて出した。
最後の問いに対する参加者たちの答えは世間一般の見解と同じで、マーガリンはバターよりまずいものとして語っていた。
だが、この実験には仕掛けがあった。
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