有料会員限定

大成建設がピーエス三菱を買収した「騒動」の内幕 当初は「社員が辞める」とピーエス社内で反発も

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小

今回の買収劇は、建設業界の本格的な再編につながる可能性がある。

ピーエス三菱が本社を構える東京・汐留のオフィスビル(記者撮影)

特集「ゼネコン下剋上」の他の記事を読む

 「社内では驚いている社員がほとんど。『あの会社だけはやめてくれ』という声もあった」。プレストレストコンクリート(PC)橋大手、ピーエス三菱の幹部はこう明かす。

スーパーゼネコンの大成建設は2023年12月、ピーエス三菱に対するTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。買い付け代金は約240億円で、大成建設の所有割合は50%超となった。ピーエス三菱は大成建設の子会社になるが、株式上場は維持する。

2002年に旧ピー・エスと旧三菱建設が統合して誕生したピーエス三菱は、高強度・高耐震性であるPCの国内初の実用化に成功するなど、技術力が高いことで知られる。得意の大型橋梁などの土木工事だけでなく、学校や病院など一般建築も手がける。

「スーパーゼネコンには負けないぞ、という気概の社員も多い」(ピーエス三菱の幹部)

子会社になれば「大量に社員が辞める」

超大手ゼネコンに対する反骨精神もあり、大成建設がTOBを公表した2023年11月、ピーエス三菱の社内は動揺した。同社には、大成建設のことを快く思っていない社員が数多くいたようだ。

次ページ単刀直入に「御社を買収したい」
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
ゼネコン下剋上
迫る「時間外労働規制」、現場で広がる戸惑い
「どうせ無茶を言われる」建設下請け会社の本音
「2024年問題」を解決するカギはあるのか?
スーパーゼネコンを凌駕、「奥村くみ」の破壊力
「関西特有の事情」が建設工事の需給逼迫要因に
当初は「社員が辞める」とピーエス社内で反発も
アクティビストが「ゼネコンを標的」にする理由
2024年問題で大激変!ゼネコン業界の"下剋上"
古い慣習が数多く残るレガシー産業に変革ののろし
4月から残業規制、2027年以降はどうなる?
退職が続き、最後は代表1人になった会社も
工事現場3000カ所のほぼすべてにカメラを設置
両者を共に知る経営者が語る違いとDXの効果
初任給も最大11%増、男性育休取得率は100%
大手ゼネコンの下に位置すると見られていたが…
賃金は上昇傾向だが若者の流入不足が続く
新幹線延伸や再開発案件重なり道内は繁忙状態
コロナ禍前と比較、増加数トップはエクシオG
賃金、福利厚生が魅力?「若者が辞めない」建設会社
新たな取引先探す交流イベントが人気沸騰
2期前比で純利益を増やした会社、減らした会社
2期前比で純利益を増やした会社、減らした会社
PBRやネットキャッシュ倍率の低い会社を抽出
PBRやネットキャッシュ倍率の低い会社を総合評価
2024年問題をチャンスに変えねば衰退の道歩む
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内