日経平均「史上最高値」更新の裏で進んでいる茶番 「景気回復の実感」なき株価上昇が意味すること
そこで、僕のインスタグラムで聞いてみた。
実感ある182票(7%)
実感ない2454票(93%)
圧倒的に実感がない人が多い。
もしかすると、金融機関で働いている人は認識が違うのかとも思い、アンケート時に金融機関勤務かどうかも聞いていた。金融機関勤務の人に限ると、以下のような結果になった。
実感ない(金融機関勤務)441票(88%)
実感ない人が多いことには変わりないが、実感ある人と答えた人の割合はさっきより増えている。
これは僕の体感だが、金融機関で働く人の中でも、”市場関係者”(金融市場での取引状況を毎日見ている)に景況感を聞くと、この割合はもっと高い印象がある。
僕も証券会社で働いていたときは、トレーディングデスクで金利商品や外国為替などの取引をしていたから、”市場関係者”というくくりで、金融市場についての取材を受けていた。
「日経エコーチェンバー」の可能性
さて、どうして経済ニュースと世間では、こうも認識とずれるのだろうか。
「日経エコーチェンバー」の影響があるのではないかと僕は思っている。エコーチェンバーとは、自分と似た意見や思想を持った人々の集まる空間内でコミュニケーションが繰り返されて、それらが世の中一般においても正しく、間違いないものであると信じ込んでしまう現象のことだ。
これが『日経新聞』を読んでいる市場関係者の中で起きているのではないだろうか。この先の話は、くれぐれも、僕の仮説でしかない。
日経平均株価というのは、日本経済新聞社が算出・公表している株価指数である。『日経新聞』にとっては、日経平均株価は景気の指標であってほしいと考えるから、「日経平均が上がっているが、実体経済は悪くなっています」という記事は書きにくいだろう。おのずと実体経済がよくなっているという記事に偏ってもおかしくない。
市場関係者たちは、そういう記事を目にする。さらに、周りにいる客も、自分の保有している株価が上昇して個人資産が増えていれば、景気のいい話をするだろう。市場関係者たちが、景気についての取材を受ければ、疑いなく「景気は確実にいいですよ」と答えるようになる。
まさにエコーチェンバーである。
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