この2月、九州の「無料で通行できる道路」の有料化が、相次いで発表された。これまで有料道路は、建設にかかった費用を通行料で賄い、償還が終わったら無料開放されることが基本であった。
たとえば、房総半島を横断する「鴨川有料道路(千葉県君津市~鴨川市)」は、1967年に有料道路として供用が開始されたが、2019年4月に無料開放された。筆者は2020年から2年間、この道路を使って東京から鴨川までマイカーで通勤していたので、この無料開放は本当に助かった。
一方で、高速道路は「いずれ」は無料開放されることになっているものの、2023年6月に償還期間の延長が決まり、最長で2115年まで料金を徴収することが発表されて、多くの関係者を落胆させた。
2115年と言えば、今年生まれた赤ちゃんが91歳になる年である。今生きている人がほとんどいなくなるまで延長されたことが、ネットで話題になった。
160円→370円と2倍以上に…
今回、有料化が発表されたのは、西九州自動車道の「佐世保道路」と呼ばれる区間の佐々IC~佐世保中央インターチェンジ(IC)間と、福岡県篠栗町と筑豊の飯塚市を結ぶ「八木山バイパス」の2路線である。
佐世保道路は、上下4車線化の工事が進んでおり、それが2024年度に順次完成するのに合わせて、道路の管理を国土交通省からNEXCO西日本に移管。それにともなって、接続する西九州道の武雄佐世保道路と一体で、高速道路の料金体系に組み込まれる。
ただし、佐々IC~佐世保中央IC間の通行に限っては、無料が継続される。
したがって、佐々IC→佐世保中央ICは、現状も有料化以降も「無料」であるのに対し、佐々IC→佐世保大塔ICは、現在も有料である佐世保中央IC~佐世保大塔ICの160円(普通車ETC利用)が、370円と2倍以上に「値上げ」となるのだ。
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