「1200袋の大量ゴミ」母の遺品整理する息子の心境 生前整理は大事だが、あえてしないという選択

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ただ、親が亡くなる直前まで、生前整理が原因で揉めてしまう親子も少なくない。残された負担をすべて抱えることになるので、子どもとしては生きているうちに片付けてほしい。一方の親は、何十年とその生活を続けている身だ。急にそのスタイルを変えることは、やはり大きなストレスになる。男性と一緒に遺品の仕分けをするスタッフの二見信定さんがこう話す。

「本当にご家族の片付けって難しいなと毎回思います。正解がないんです。一概にこれが打開策だと言えないので、いろいろ試すしかないんです」

(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

片付けようとしない親を説得するには

ときにはイーブイのスタッフが依頼人の代わりに片付けの説得をすることもあるという。文直氏がその際、心がけていることがある。

「スタッフがお客さまに同調しすぎてしまって作業がなかなか進まない場合、私がフォローに入るんです。ここでそのスタッフが簡単に意見を変えてしまうと、かえってお客さまは不安になってしまうからです。意見をすぐに変えるのではなく、別の人が別の角度から説得を試みることが大切かもしれません」

子どもが2人いるならば、それぞれのアプローチで親を説得してあげるといい。だが、ここで気を付けたいのは2人揃って説得をしないことだ。

「2対1の構図になってしまうと、それだけで親にプレッシャーがかかってしまいます。ましてや、違う意見を同時に言われたら責められているような気持ちになってしまうでしょう。“それぞれ”別の角度から説得を試みることが重要です」(文直氏)

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