まず、ひとつモノを捨てることで、捨てることに慣れてもらうことが必要だという。モノを捨てることに慣れている人からすれば当たり前のことかもしれないが、目の前にいるのはそれが何十年もできてこなかった人だ。今すぐにモノを捨てられるわけがない。
生きているうちに片付けるのが一番いい
「使いもしないのにね、ゴミ同然なのに。モノを大事にしろと言われて育ってきたからしょうがないんですけど」
依頼者の女性がそう言うように、両親との衝突は避けられなかった。他人からすればゴミでも、本人からしたらゴミではないからだ。ただ、「ときにはハッキリ言うことも必要」と、同じく現場で作業をするスタッフのユウキさんは話す。
「今まで放置していたのにいざ片付けるときに、“懐かしい、どうしよう”と悩んで捨てられない人が多いんですよ。でも、何年も見ていないモノはやっぱり必要ないモノだと思うんですね。やっぱり、しんどい思いをするのって残された人だと思うんです。だから、僕は本人が生きている間に片付けるのが一番いいと思っています。片付けの費用は誰が払うねんっていう話にもなってきますし、業者を探したり、多少なりとも手伝わないといけないので」
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