ペルシア時代の面影残る「イラン」の高速道路(1) 世界遺産も多い大国の大都市を結ぶ交通網

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高原地帯を貫くイランの高速道路(筆者撮影)
高原地帯を貫くイランの高速道路(筆者撮影)

2023年の暮れから新年にかけて1週間ほど、中東のイランに滞在し、高速道路をつぶさに見ることができた。

イスラム革命やイラン・イラク戦争、そしてアメリカからの経済制裁やパレスチナのハマスへの支援など、何かと危険なイメージが付きまとう国だが、世界遺産は日本を上回る27件を数え、一時はオリエント全土を支配したペルシア帝国の流れをくむ、豊かな歴史と文化を持つ国であり、観光資源も豊富にある。

そこで垣間見た中東の大国の高速道路最新事情を紹介したい。

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最高速度は120km/h、分散する大都市を結ぶ

イランは、東がパキスタンやアフガニスタン、西はトルコやイラクと接し、北にカスピ海、南にペルシア湾を抱える高原と砂漠の国である。面積は日本のおよそ4倍、人口は8900万人(2022年現在)だ。

首都はテヘランで、都市圏人口が1300万人に達する大都会だが、それ以外の大都市は国土全体に分散しているため、それらをつなぐ高速道路が充実している。

イランには鉄道網もあるが利便性は低く、都市間輸送は長距離バスとマイカーに依存しているといってよいだろう。自動車はすべて輸入車か外国ブランドの自国生産のため比較的高価だが、産油国であるため、ガソリンの価格は日本の10分の1以下とかなりの安価である。

イラン高速道路の3号線で見た最高速度の標識。この路線はアジアハイウェイ2号線でもある(筆者撮影)
イラン高速道路の3号線で見た最高速度の標識。この路線はアジアハイウェイ2号線でもある(筆者撮影)

テヘランや第3の都市エスファハンでは、市内の渋滞も多いし、高速道路でも大都市近郊では混雑が目立っていた。

今回はレンタカーではなく、現地人ガイドが乗るツアーバスで移動したため、自分で運転した実感はないものの、ゆっくり観察するにはちょうどよい旅となった。

イランのハイウェイは原則片側2車線で、主要な区間では片側3車線の部分も多い。最高速度は乗用車120km/h・大型車110km/hの区間と、乗用車110km/h・大型車100km/hの区間が混在する。

通行は有料で、都市郊外に料金所が設置。料金所のブースを通過する際にカメラがナンバーを読み取り、後日ひもづけされた口座から料金が引き落とされる方式だ。

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