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洋上風力の入札条件是正に動き出す欧米の英断 供給網を重視し、事業環境の変化に配慮

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オランダの洋上風力発電。世界で初めて「補助金なし」を実現(写真:ロイター/アフロ)

洋上風力発電に関する連載記事の前編では、2023年にイギリスやアメリカで発電事業者が大型プロジェクトからの撤退や減損処理の判断を迫られたことについて詳述した。インフレーションや金利の引き上げで設備コストが高騰し、落札価格との乖離に直面したことが主因だ。

しかし、洋上風力を推進するイギリス政府やアメリカの州政府は危機感を高め、入札条件の見直しに踏み切るなど、すでに立て直しに向けての動きも始まった。

2023年11月16日に発表されたイギリスの第6次入札(第6ラウンド、R6)の募集案では、洋上風力の上限価格は66%も引き上げられた。アメリカのニューヨーク州は11月30日、第4次入札(R4)の募集案を前倒しで発表したが、ここでも事業者に配慮する内容が盛り込まれた。

一方、日本は、11月14日に第3次入札(R3)の価格条件を提示したが、第2次入札(R2)より厳しい内容であった。

次ページイギリスはなぜ上限価格の大幅引き上げに踏み切ったのか?
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