書店のドン「紀伊國屋」がTSUTAYAと組んだ裏側 紀伊國屋会長に合弁会社設立の狙いを直撃
川下の書店から改革してやろう
――CCCの増田宗昭会長と髙橋誉則社長が、高井会長に協業を持ちかけたことがブックセラーズ設立のきっかけと聞きました。ライバル関係にあるCCCのトップ2人が、紀伊國屋のオフィスを訪問したのですか。
来た、来た。2022年の暮れぐらいじゃないの?でも、よく来るよ。
増田さんとはプライベートで一緒に地方に行ったり、もちろんゴルフしたこともある。それこそ、佐賀県武雄市にCCCが図書館を作った時、増田さんが「高井さん、ちょっと見てくれよ」と誘ってくれて、僕も図書館に興味があったから訪問した。そして武雄温泉に泊まったよ。こういった普通の付き合いを前々からしていた。
キーワードは「書店からの業界改革」。今までの出版業界では、川上からいろんなことをやってきた。
ただ、身近なところでいうとセブン&アイグループだとか、だいたい小売りからの改革が成功しているんだよ。小売りが問屋を巻き込んで、問屋がメーカーを巻き込んで……というかたちでね。
だから、「よし、川下の書店から改革してやろう」と。いちばんお客さんに近くて、理解しているのだから。増田さんもそう思ってるよ。
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