ソニー「PS5」テコ入れで十時社長が異例の舵取り 大黒柱ゲーム事業の再成長を阻む「3つの壁」
ソニーグループが屋台骨のゲーム事業で矢継ぎ早に施策を繰り出している。9月末にゲーム事業などを行う子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のジム・ライアンCEOが、2024年3月に退任すると発表した。
同時に今年10月からソニーグループ社長の十時裕樹氏がSIEの会長に就任し、ジム・ライアン氏の退任後は十時氏がSIEの暫定CEOとなることも明らかにした。十時社長はグループのCOO(最高執行責任者)とCFO(最高財務責任者)も兼務しており、暫定でも子会社の舵取りを担うことになれば異例の事態だ。
11月に「PS5」新型機を投入
製品面でも発表が相次いでいる。10月11日に家庭用ゲーム機のプレイステーション5(PS5)で新型機を投入すると発表。従来機と性能は同じだが小型化し、ストレージ容量を増やした。11月10日の発売予定で、PS5用のリモートプレーヤーも新たに投入する。
ゲームソフトでは、前作が2000万本以上の大ヒット作となった「スパイダーマン」シリーズの最新作を10月20日に発売したばかり。発売から24時間で250万本以上を売り上げており、収益貢献の大きい自社グループ制作のソフトとして存在感を発揮している。
プレイステーションを含めた「ゲーム&ネットワーク」事業はソニーグループ全体の売上高の3割超を占め、営業利益でも全体の2割程度を稼ぐ屋台骨だ(いずれも2022年度)。ソニーグループはゲームに映画と音楽を加えたエンターテインメント3事業を今後の成長の中核に位置づけている。
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