聞くと弟はこれまで友人や彼女を一度も家に呼んだことがなかった。そして、本当は家に呼びたいと思っていた。「家、1回全部片付けへん?」と女性が言うと、弟も「このままじゃアカンって俺もわかってる。俺もそうしたい」と答えた。
「こんな家じゃなかったのになって。喧嘩もするけど、楽しくみんなでお片付けしようみたいな家庭だったのに、知らない間にそうじゃなくなっていて、もうバラバラになりかけてた。私と母は連絡取り合うけど、弟にはめったに会わないし、連絡も取り合わないし、父もたまに私の家に来るぐらいで」(依頼者の女性)
弟と一緒に想いを伝えると、母の気持ちも変わった。イーブイのスタッフが見積もりのため家に上がると、弟は「他人が家の中に入ってくるのって違和感しかない」と話し、母は「娘や息子に何てことをしてきたんだろう」と涙を流したそうだ。
大人になって「普通ではなかった」と気付く
依頼者の女性も弟も、子どもの頃は自分が置かれた状況がわからず、成長してから、「普通ではなかった」ことに気付いた。子どもの頃はよくても、「大人になってから困ることが多くあった」と女性は話す。その様子は、旧統一教会などに見られる宗教二世問題ともどこか重なる。
だが、イーブイの二見氏は、「ゴミ屋敷でも宗教二世でも、問題の本質は親と子のコミュニケーションなのでは」と話す。
「ゴミ屋敷とか宗教二世とか、インパクトが強いのでそっちに論点が行きがちですが、ゴミ屋敷でも宗教二世でも、すべての家庭の環境が悪いとは思わないんです。少なくともゴミ屋敷に関してはそうだと思っています」
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