「ファイナルファンタジー」が直面する大問題 世界的RPGはかつての輝きを取り戻せるか
ロールプレイングゲーム(RPG)という媒体を通じて壮大な物語を紡ぎ出し、多彩なキャラクターを登場させることで1990年代に名声を獲得した『ファイナルファンタジー(FF)』。新作が登場するたびにファンたちは、それがシリーズの輝きを取り戻す名作となることを願ってきた。
だが、過去15年間の作品はそうした期待には届かなかった。7年前にリリースされたナンバリングタイトルの直近作『FF15』にがっかりしたファンは少なくない。ストーリーラインに一貫性がなく、キャラクターにも記憶に残るような特徴がなかったためだ。メーカーでさえ、失敗と認める姿勢を隠していない。
新旧ファンを同時に満足させる難しさ
35年の歴史を持つ『FF』シリーズを手がけるスクウェア・エニックスは、6月22日にプレイステーション5向けに発売された『FF16』で、これまでの失敗のいくつかを修正しようとしている。
だが、『スター・ウォーズ』などと同様に、シリーズを長期にわたって続けていくには、熱心なオールドファンを満足させながら新たなオーディエンスを獲得するという、難しい綱渡りを要求される。
『FF16』にとってそれは、何人ものキャラクターの組み合わせを管理する機能や独特で風変わりなトーンの廃止など、これまでのメインシリーズの根幹ともいえる特徴から離れることを意味した。